PART 1 経営入門編経営計画に必要な項目とは?
~全社的な戦略方針と各部門の目標・方針などを決めよう~
単年度計画の前に経営理念を固める
経営計画づくりでは、どんなことを決めていくのでしょう。「経営計画の基本体系」として左の図にまとめてあります。
最初に、単年度計画の作成に入る前に、会社の活動の前提となる経営理念を確立しておかなければなりません。
まずミッションとバリューを言葉にしてください。自分たちの基本的な考えや、何のために存在しているのかを明らかにするためです。
経営理念のうち、バリューは一度確立したら骨格は変わらないものです。ミッションも会社の存在理由や社会とのかかわり方が変化しない限り、変わることはありません。
それをもとに、将来こうなりたいという「中期経営ピジョン」を決めます。数字目標を決めるのは利益、売上、社員数ぐらいで、あまり細かく設定する必要はありません。
ピジョンは、長期ビジョンや短期ビジョンもあっていいのですが、ここでは5年後に向けた中期経営ビジョンの作成としました。毎年少しずつ5年後のビジョンを変化させて策定します。その中で、「経営環境の分析」をします。自分たちが得意としていること、さらに今、どんな課題に直面しているかを確認します。ここで重要なのは、自分たちの事業の将来をしっかり把握することです。今、5億の事業をしていて、将来30億の会社にしたいのであれば、大きく事業指針を変えなくてはならないということもみえてきます。
一番重要なのは社長の経営戦略方針発表
経営計画づくりにおける社長の最も重要な役割は、「当期経営計画の作成の手順」 の中にある「経営戦略方針発表をすることです。
どの商品を伸ばし、どのエリアを開拓するのか。こうした営業利益の源泉については、社長が大きな方針の決定をします。
会社の中の雰囲気や風土についても、課題があればそれを明らかにして、改善するための方針・方策を打ち出します。
このような基本方針を社長が発表した後に行う当期経営計画の作成の手順や、各部門からの発表と方針についてなどは、これから説明していきます。
固めることからスタートする。
経営のヒント
経営理念は完璧でなくてもいい
経営理念をどうつくったらいいのかと、頭を悩ます社長は多いことでしょう。
もともと経営理念は普遍性を目指すものです。それだけに「完全なものにしたい」と考えてしまいます。しかし最初は稚拙でも、どこかで聞いたようなものでもいいのです。自分の考えを言葉にすることで、社員と会話ができるようになります。そのことが大切です。
もしうまく表現できない部分があれば、少しずつ変えて完成へと近づけていけばいいのです。その意味では、経営理念の文言を変えることをためらう必要はないのです。
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