PART 4 決算診断編決算書の構成はこうなっている
~会社の資産と利益、キャッシュについての詳細がひと目でわかる~
決算書の状況を数字で表している
決算書は、お金という切り口から会社の状態を表しています。決算の時点での資金は十分か、1年間でどれだけ利益が得られたかがわかり、会社が健全な状態か、問題を抱えていないかどうかを示してくれるものです。
決算書は複数の書類によって構成されていますが、主なものは「貸借対照表」「損益計算書」「キャッシュフロー計算書」の3つです。
貸借対照表は、決算日における会社の資産状況を示しています。表の左側(資産)と右側(負債+純資産)を上から足した合計額が同じになるので「バランスシート」(B/S)ともいいます。
損益計算書は1事業期間(通常は決算日までの1年間)で得た売上高と利益(または損失)を表しています。
キャッシュフロー計算書は、1事業期間でキャッシュ(すぐに使えるお金)がどのように動いたかを示しています。
このほかに、利益をどのように使う予定かを示す「株式資本等変動計算書」、会社の活動状況を文章で記す「事業報告」と「注記表」を含めて決算書と呼ぶのが一般的です。
キャッシュフロー計算書がなぜ重要なのか
中小企菜の社長でも、貸借対照表や損益計算書は当然みたことがあるでしょう。
それに比べると、キャッシュフロー計算書にはなじみがないはずです。キャッシュフロー計算書が重視され、決算書にも入るようになったのは比較的最近のことだからです。
損益計算書をみれば、どれだけ売上や利益が得られたかはわかります。しかし売れてから入金するまでに時間がかかると、その間に仕入れた品物の代金の期日が来ても、払えません。
このように利益を出しているのにお金がないという会社は珍しくありません。場合によっては、キャッシュ不足で黒字倒産してしまう危険もあります。
こうしてみると、特に中小企業の社長にとってキャッシュフロー計算書は、決算書の中でも特に重要なものです。というのも、会社の資金繰りがうまくいくかどうかを決めるのは、キャッシュがあるかどうかだからです。
「貸借対照表」「損益計算書」「キャッシュフロー計算書」
経営のヒント
なぜ決算書をつくるのか
会社などの法人は、年に1回税務申告をする義務があります。そのために資産状況や1年間のお金の動きを記録しておかなければなりません。それを一定の書式にまとめたものが決算書です。
税法だけでなく会社法の規定でも1年に1回は会社の利益を計算することになっています。
申告のために会計事務所に頼んで決算書をつくっていても、できるだけ数字に関わりたくないと思っている社長さんは多いものです。
しかし、会社の状況が一目でわかる決算書のポイントは押さえておきましょう。
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損益計算書からわかること
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