5つの経営指標を計算しよう
~貸借対照表と損益計算書の数字から指標となる数値を算出する~
会社をみるポイントを知ろう
経営計画を考えるとき、決算書に記されているさまざまな数字の中で、どれに注目したらいいのでしょうか。
本書では 「収益性」「資金性」「安全性」「安定性」「生産性」の5つのポイントに注目します。そのポイントについてわかりやすく示す経営指標(数値)は次のとおりで、これらをみれば会社の体力がわかります。
1. 「収益性」 → 総資本経常利益率をチェック
効率よく儲けているかがわかる
2. 「資金性」 → 流動比率をチェック
返済能力に問題はないかがわかる
3. 「安全性」 → 自己資本比率
つぶれないだけの体力があるかがわかる
4. 「安定性」 → 安全余裕率をチェック
安定的に収入を得ているかがわかる
5. 「生産性」 → 労働分配率をチェック
人件費に問題はないかがわかる
それぞれのポイントについては、次からの項目で詳しく見ていきます。
どれも簡単に計算できる
これらの経営指標の算出方法は、左の図に示したとおりです。
たとえば収益性を示す「[1]総資本経常利益率」は、損益計算書の「経常利益」を「総資本」で割ったものです。「総資本」は貸借対照表の一番下の右側の「負債・純資産合計」(=「資産合計」) のことです。
資金性を示す「[2]流動比率」は、貸借対照表の左上にある「流動資産」を、右上にある「流動負債」で割ったものです。
安全性を示す「[3]自己資本比率」は、貸借対照表の「自己資本」を「総資本」で割ったものです。
安定性を示す「[4]安全余裕率」は、損益計算書の「売上高」から「損益分岐点売上高」を引いたものを「売上高」で割ります。損益分岐点売上高は、売上高とかかった費用がゼロの地点をいいます。
生産性を示す「[5]労働分配率」は、損益計算書の「人件費」を「限界利益」で割ったものです。限界利益は後の項で説明しますが、ここでは損益計算書の「売上総利益」とほぼ同じと考えておいてかまいません。
Point
5つの経営指標を出すのに、決算書のどの数値を使うのか知っておこう。
- 経営計画入門講座 – 決算診断編
決算診断で経営体質を把握する - 経営計画入門講座 – 決算診断編
収益性・資金性とは?
2012年 5月 6日